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生前贈与と税

生きている間に誰か(法人も含めて)に財産を贈与するのは自由です。

あげる・もらう、という意思の合致があれば財産権は移転します。

しかし!

タダで財産をもらうということに対して、国は厳しいのです。

そこには国の税制が関係します。

生前贈与を放置しておくと、そのほかの所得税、相続税など、財産を取得する関係の税金の抜け道になってしまいます。

また、タダでもらう、というところからは多めに税金をとってもかまわないべぇ、という担税力(たんぜいりょく)も課税の根拠となります。

ようは、労働という対価を払って取得する所得ですら税金がかかるのに、タダでもらうのであれば、もっと国に上納しろよ、というわけです。

相続は、生まれながらの資産格差を生むという意味もあって重めの課税となっていますが、一方で、相互に扶養義務を負いながら蓄積される資産を承継する意味もありますので、生前贈与ほど重くはありません。

生前贈与の税制を理解することは相続税対策としても重要ですので、ここではまず生前贈与の制度を簡単に見ていきましょう。

まず、贈与税の基本的なルールの確認から。

①贈与税は1月1日~12月31日までの1年間の贈与に対して課される。
②贈与税の課税価格はもらった額の合計額が基準となる。
③贈与税の課税価格はもらったときの時価が基準となる。
④贈与でも贈与税のかからないものもある。(ただ、所得税や相続税がかかるケースもあります)。

たとえば、
 ・扶養義務者からの生活費や教育費など
 ・社交場必要と認められる香典など
 ・公職選挙の候補者が贈与により取得した者
 ・離婚に際しての財産分与
 ・債務超過の場合の債務免除
 ・法人からの贈与
 ・相続開始の年に被相続人から贈与を受けたもの

⑤他人が掛け金を負担していた保険金を受け取った場合に、他人なら贈与税、相続人なら相続税がかかる。

⑥売買をした場合でも市場取引より著しく定額だった場合には差額を贈与とみなされることがある。

こういう基本ルールの下で

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
   200万円以下  10%  -
   300万円以下  15%  10万円
   400万円以下  20%  25万円
   600万円以下  30%  65万円
  1,000万円以下  40% 125万円
  1,000万円超   50% 225万円 *基礎控除 110万円

という計算で、贈与税が課されます。

(例)贈与財産の価額の合計が400万円の場合
 ① 基礎控除後の課税価格 400万円-110万円(基礎控除)=290万円
 ② 贈与税額の計算 290万円×15%-10万円(控除額)=33.5万円

①→②という計算方法です。

さて、これ以上詳しい解説は、私の専門領域を超えそうです。

贈与税に関しては、夫婦間の贈与、住宅取得資金の贈与などの特例について、知識を持っておくことが一般の方にも必要です。

例えば、離婚の財産分与をする際にも、不動産を財産分与すると、譲渡する側に譲渡所得税が、取得する側に不動産取得税や場合によって贈与税が課されます。

このあたりを見落としたまま離婚の代理人などをすると、弁護士にも落とし穴が待っています。

住宅取得資金の贈与の特例などは、経済活性化の施策の一つとして位置付けられているので、政府の政策により非課税枠が広がったり縮まったりするので、注意が必要です。

事業承継、相続対策をする弁護士にとってもこのあたりは必須科目で、私も勉強している分野ですが、専門といえるほどの自信もないので、ほどほどにすることにして、税に関しては、新しい相続時精算課税について簡単に見て終わりにします。