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任意後見人

後見人というと、高齢になったり、何らかの事故で障害を負ったりして、判断能力が亡くなった場合にその人の財産を管理処分するためにやるもの、という理解ですよね。そういう後見人のことは、正式には成年後見人と言います。

ここで紹介しようとしているのは、任意後見人(にんいこうけんにん)。

これはなんと、自分で後見人を選んで契約をするというものです。

やはり人間は自分のことは自分で決めたいもの。

長寿社会になり、判断能力が多少衰えてもまだまだ長生きをする時代に、亡くなった後のことを考えて遺言書を書くだけでなく、判断能力が衰えた後の生活のことを考えて選んでおく、それが任意後見人という制度です。

この制度を利用しよう、と本人が思い立つときは、まだ本人の判断能力は健在のはずです。

制度もそれを前提にしています。

そのため、任意後見制度の利用は、「利用しようとする人」と「任意後見人の候補者」との間の契約から始まります。

人の世話、には身上監護(しんじょうかんご)といって体や生活のサポートを受ける面と、財産管理の面とがあります。

介護保険や介護サービスの充実により、身上監護は各種の施設で行えるようになりつつありますが、残るは財産管理、というわけです。

例えば、不動産の賃貸物件を多く所有しているとか、判断能力は低下してきたけども不動産を売却して医療費に充てたいとか。

実際に判断能力が低下した後に、親族などが成年後見人を選任するというのでも良いのですが、成年後見人や保佐人に誰がなるかでもめそうな場合などには、予め自分の信頼する人に後見人になってもらう契約をしていくと安心、というわけです。

親族の誰かが任意後見人になるケースもあれば、弁護士や司法書士が契約を結ぶ場合もあります。

ただ、長期に及ぶ場合や、多額の財産を管理する場合もあって、安易に契約するのはいただけません。

残念なことですが、任意後見人が財産を横領するケースもないわけではありませんので、第三者の専門家に依頼するときは、よほど信用できる相手でなければなりません。

また、使い方としては、子どもがない高齢者が自分の判断能力が低下した後に財産を自分のために使ってもらい、残ったものは相続人でない誰かに渡したいなどということもあるでしょう。

そういう場合には、遺言書とセットでの利用を考えた方がいいケースもあり、ぜひ専門家にご相談してみてください。