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誰に承継させる?

さて、誰に事業を承継させましょうか?

息子?

会社に入ってくれそうですか?入れてみて馴染んでますか?会社の将来に期待を持っていそうですか?他の兄弟が納得しますか?

従業員?

借金も丸ごと引き受けてもらえそうですか?他の従業員を抑えられそうですか?株式や営業を買い取る資金をもっていそうですか?

他の事業者?

会社を任せてしまいましょうか?従業員は残ってくれそうですか?株式や営業をどのように評価してもらえそうですか?

悩ましいですね。

誰に承継させるかは、それぞれの事業者ごとに状況が違いますので、もちろん答えはありません。

なので、ここではそれぞれの後継者の種類に応じて注意する点を指摘してみます。

子ども

相続対策と絡みます。

生前贈与で渡す場合には贈与税の問題がありますが、同時に、他の相続人からの遺留分の主張、遺産分割協議の際の特別受益の主張などに備えなければなりません。

贈与税・相続税については、株式の承継に際して特例が出来てきているので、その活用も検討するとよいでしょう。

贈与税の相続時精算課税を利用するケースもあるでしょうし、そういった制度を避けて売買で取得させるという方法もあります。

売買に使える資金を後継者が調達できるか、株価が今後上昇するか、下降するかによって、取りうる方法・取るべき方法が異なります。

相続に関しても、遺留分の特例ができましたので、除外合意・固定合意などを利用して、遺言書ともあわせて活用するとよいでしょう。

こうした対策のほかに、いつ株を渡すかについて、後継者である子どもの意識の問題もあります。

どうしても他人に承継させる場合と異なり、株は親が持ったままとなりやすいのですが、はたしてそれが良いことかどうか。

先代としてにらみを利かせる必要がある場合もありますが、逆効果の場合もあるので悩ましいところです。

事業承継とは?で書いた、後継者の経営者としての人望や信頼、ノウハウや経験などの状況によって、かじ取りが必要な場面です。

従業員

幹部を社長にするのは簡単ですが、その裏付けを与えてあげるのが大変です。

株式の譲渡も、子どもと異なり、国はほとんど優遇しません。

まさか養子にするというのも、娘婿なら良いですが、全くの他人ではお互いに躊躇します。

方法は二つ。 売るか、あげるかです。

あげれば贈与税がかかります。

従業員にいったん退職してもらい、退職金を支給して、それを資金に株式を購入してもらうなどの工夫が必要でしょう。

また、場合によっては、従業員の数人で会社の株式を買い取って、その代表格の人が社長に就任するというのも面白そうです(あとでケンカしなければ)。

問題は、先代が個人保証していた会社の借金に後継者として個人保証するだけの勇気があるか、というところでしょうか。

事業の見通しが後継者の意欲を左右しそうです。

他の事業者

いわゆるM&Aですね。

株式を買ってもらってもいいですし、場合によっては事業だけ譲渡することもありうるところです。

事業譲渡したあとの会社を解散したり、特別清算したりということにもなるかもしれません。

それでもこれも一つの事業承継でしょう。

他の事業者ともなれば、株式や事業の対価についても、親族や従業員よりもシビアです。

高いようなら買わなければいいのですから。

購入希望者とのマッチングと価格交渉が課題です。

それぞれの後継者選びは、他の事業者<従業員<子ども、の順に時間がかかります。

特に、子ども・従業員の後継者教育は、長期的に役職・技能・意識の持たせ方を組み立てて、他の従業員からの評価・信頼などを獲得していくようにしなければならず、我慢強さと気長さが求められ、ほんと難しいものです。

いやほんとに、難しいことです。

うちは割とうまくいってる、という社長さん。それはすばらしいことですよ。