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相続の手順

ここでは、相続が発生した後の手順をおおまかに解説します。

今後の解説の内容を理解していただくには、ここで全体像を把握すると話が頭に入りやすいので、ぜひ頑張ってついてきてください。

それではいきましょう!


ステップ1 相続人を確定させます。

戸籍の調査をして誰が相続人かをはっきりさせます。

このときに、すでに相続放棄した人がいるかどうか、を確認することも重要です。

相続人の範囲については誰が相続人?以降で詳しく解説します。

ステップ2 相続分を確認します。

遺言書があるかないか、早い段階で確認が必要です。

もし遺言書がなければ、法定相続分の確認から始めます。

相続人の関係図を書いてみて、それぞれ何分の1ずつの相続分になるかを確認します。

相続分については法定相続分以降で詳しく解説します。

もし遺言書がある場合でも、遺留分(いりゅうぶん)という権利があります。

遺留分は権利ですので、行使するかどうか、遺留分減殺請求(いりゅうぶんげんさいせいきゅう)という特別の手続きが必要となるのもこのステップです。

遺留分については遺留分って何?以降で詳しく解説します。

ステップ3 相続財産を確定させます。

いったいどれが亡くなった被相続人の財産か、を確認します。

財産の中でも、不動産や自動車や預金などの名義がはっきりするものもあれば、そうでないものもあります。

また、被相続人名義の財産でも預かっていただけで他人様のものなんてこともありますし、反対に他人様の名義でも被相続人の財産かもしれませんので、これを調査します。

どこに何があるか、誰のものかを調べますが、調べる方法は様々です。

ここで、相続するのは、財産ばかりでなく、借金などの負債(債務)も含まれることを忘れてはいけません。

カードなどのわかりやすい借金は、タンスやベッドの下を調べれば分かることもありますが、古い友人の保証人になってた、というような債務はなかなか気づきません。

生前に確認するのがベストですが、それができなかった場合には、心当たりにあたってみることも必要です。

この作業は相続放棄の判断のためにも急がなければなりません。

相続財産の範囲については借金だけ相続したくない?以降で詳しく解説します。

この1〜3のステップは同時に進めます。

ステップ4 相続財産を評価します。

ステップ3で見つかった財産を評価して、遺産分割協議に備えます。

これもどこまでやるか千差万別ですが、不動産などは地元の不動産業者に参考価格を聞いたり、不動産鑑定士に鑑定を依頼したりします。

株などは、証券取引所で取引のある株であれば株価を見ればよいのですが、親族や知り合いの会社の株式だとその評価も問題になります。

さらには、骨とう品などは、見る人が見ないとわかりませんし、価値の評価も様々ですよね。

このあたりはいろいろな駆け引きのからむところです。

相続財産の評価方法については遺産の評価方法で詳しく解説します。

ステップ5 特別受益とか寄与分とかを考えます。

相続人の中に、遺贈を受けたり、婚姻・養子縁組・生計の資本として贈与を受けた者がいる場合には、すでに相続分の先渡しとして特別受益(とくべつじゅえき)と評価されるかもしれません。

また、相続人の中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者には、寄与分(きよぶん)として、他の相続人より優遇した相続分が与えられるかもしれません。

特別受益と寄与分については特別受益寄与分で詳しく解説します。

このあたりは、かなりもめるポイントです。

ステップ6 遺産分割協議をします。

ここまでのステップが整ったら、遺産分割協議をします。

ただ、遺言書の有効性、相続財産の範囲、相続財産の評価、特別受益・寄与分などのいずれかがはっきりしないまま、遺産分割協議に突入することもあり、むしろそういったケースの方が多いと思われます。

とはいえ、遺言書の有効性や相続財産の範囲の問題などの争いが深刻な場合には、遺産分割協議は到底進みませんので、そういった前提の争いについて調停や裁判で決着をつけることを先行させるケースもあります。

遺産分割協議で詳しく解説します。

ステップ7 話し合いで決まらなかった場合は、家庭裁判所で調停を行います。

遺産分割協議はあくまで話し合いですので、決まらないことが、もちろんあります。

その場合は、まず、調停をするのが一般的です。

裁判官や調停委員という「見識のある方」を間において、もう一度話し合う、というわけです

調停によって争いの本質的な部分が整理されたり、お互いの譲歩が引き出されたりして解決に至ることも多いものです。

それでも決まらなければ、しかたありませんので、審判といって、裁判官が判決で決めてくれます。

これにも不服があれば、抗告という不服申し立てができますので、争いは第二ラウンドに進みます。

調停・審判については遺産分割の調停以降で詳しく解説します。

ステップ8 遺産分割が決まったら手続きです。

不動産の登記名義を変更したり、預金を下ろしたりします(決まる前に下ろすこともあるでしょうが)。

ここで借金などの負債も返済しますが、債権者は遺産分割協議が終わるのを待っててくれるとは限りませんので、もっと前の段階で請求されているかもしれません。

また、相続税の申告なども、必ずしも遺産分割協議を待ってくれるわけではなく、決まった期限に申告して支払う必要があります。

そういう意味では、外部の手続はどの段階でも気をつけておかなければなりません。

たとえば、不動産を他人に貸していて、遺産分割協議の間は誰が管理するかとか、家賃はだれが受け取るかなど、問題は尽きないものです。

相続の手続きについては、預貯金の引き出し以降で詳しく解説します。


どうでしょうか。

おおよそイメージできましたか?

無理ですよね(^^)

このステップに沿って他の項目をご覧いただき、それぞれの制度やノウハウの該当箇所を参考にしてもらいながら、またここに戻って全体像を確認する、という感じで理解を進めてみていただくのが良いかもしれません。