相続>相続人>戸籍を取り寄せる

戸籍を取り寄せる

親族の兄弟関係や生死などは当然把握されている方が多いわけですから相続人関係図はえんぴつですぐに書けるとしても、実際に戸籍を集めて確認するのは意外に大変です。

コツは次のとおりです。

①被相続人(亡くなった人)の戸籍を、生まれた時から死亡まで全部集める。

配偶者がいるかどうか、生存しているかどうかは、最新の戸籍で分かるはずです。

ここでは、主に、子の有無を気にしながら取り寄せます。

特に、家族に内緒で認知したような場合には、認知の直後に本籍を移したりして、わかりにくくしているケースもあります。

ここをしっかりしておかないとその先の手続きに大きな影響が出ますので、大事なところです。

②子が生まれた(認知した)記載があれば、その子の戸籍を追いかけます。

子が被相続人の戸籍を出ていれば、どの戸籍に移ったかの記載がありますので、それを順々に追いかけて最新のものまでたどります(なお、必ずしも全部が手続きに必要なわけではありません)。

そこで、その子が生きていれば相続人。

孫を生んだあとにその子が亡くなっていれば、孫が(代襲)相続人というわけです。ただし、養子の場合は養子になってから生まれた孫でなければ代襲相続人になりません。

③子がなく、両親も亡くなっていて兄弟姉妹が相続人になる場合には、戸籍の調査も大変です。

まず、兄弟姉妹を特定するために、両親の戸籍をそれぞれ生まれた時から死亡まで全部集めなければなりません。

今だと、亡くなる方の両親というと、戦前生まれの方が多いですよね。

戦前は戸籍の記載方法も違いますし、手書きで達筆だったりすると読み解くのも大変です。

ときには、戦争で焼けてしまってない、なんてこともあるようです(市町村役場が焼けてしまっても法務局に同じものがある場合もありますが、両方焼けてしまったというのもあるようです)。

両親の戸籍を生まれた時から死亡まで全部集めて、兄弟姉妹を特定したら、兄弟姉妹の戸籍を順々に追いかけて最新のものまでたどります(これも、必ずしも最新のものまで手続きに必要なわけではありません)。

そこで、その兄弟姉妹が生きていれば、その兄弟姉妹が相続人。

子を生んだ後に亡くなっていれば、その子が(代襲)相続人というわけです。

ただし、兄弟姉妹の戸籍は、勝手には取れないものもあるので、弁護士等に頼むことが必要になるでしょう。

あぁ、やっぱり大変ですね。

こうした手順に従って、戸籍を集めていきますが、順序よくやるのではなく戸籍のつながりや存在がわかり次第、片っ端から集めていきます。

でないと、これだけで数か月を要するなんてこともザラなのです。


次に、実際の戸籍の取り寄せ方です。

まず、ご自分の戸籍からさかのぼるのが確実です。

戸籍は、本籍地の市町村役場(区役所)の窓口へ行くか、郵送で取り寄せることができます。

 戸籍を郵送で請求する請求書
 定額小為替(必要な額を上回る分)
 本人確認の身分証明のコピー
 返信用の封筒と切手

を同封して送れば、郵送で送ってくれるはずです。

その際、多めの定額小為替を入れて、対象者の出生から現在までの戸籍を各1通ずつ送ってください、と書いておくと、親切な役所では、その役所にある戸籍を探し出して一度に送ってきます。

郵送で取り寄せる場合の支払いは、定額小為替(ていがくこがわせ)といって、郵便局で売っている小切手みたいなものを同封して支払います。有効期限(6ヶ月)があるので要注意です。

これが1枚100円と高く、50円の定額小為替を買うのに100円かかるという、ぼったくりな有価証券です。

きっちり払うより、ざっくり多めに入れて、役所から定額小為替でおつりをもらった方がコストダウンしたりします。

これで取り寄せて、またそれをじっーと読み解いて、つながりのある戸籍を、今度は別の役場から取り寄せる、ということの繰り返しです。

戸籍を読むのも大変ですし、役所の対応もマチマチで、一般の方が取り寄せ作業をすると大概イライラします。

弁護士は、職務上請求書という書式があって、一定の業務に必要な場面では他人の戸籍を取り寄せすることができるので楽です。


さて、サラサラ書いていますが、ここまでに出てきた分からない用語をいくつかおさらいしておきましょう。

「戸籍謄本」(こせきとうほん)

戸籍を取り寄せると説明していましたが、正確には、戸籍そのものを取り寄せることはできません。

戸籍とは、役場にしまってある原本のみのことを指していて、戸籍謄本というのはその写しのことです。

しかし、今の新しい戸籍では戸籍謄本すら取れず、全部事項証明書という戸籍にはこういうことが書かれていますよ、という証明書が取れるだけです。

「改製原戸籍」(かいせいげんこせき)

法律で戸籍の用紙を書き改めることになったときの元の戸籍のことです。

原(げん)を「はら」と読んで、はらこせき、と呼んだりします。

「除籍」(じょせき)

その戸籍に乗ってる人が死亡するか戸籍を移るかして、誰もいなくなったので戸籍ファイルから除かれて別ファイルで保存されている戸籍、という意味からきています。

ちなみに、「謄本」(とうほん)や「抄本」(しょうほん)という用語は、写し(コピー)という意味であることに違いはありませんが、全部コピー=謄本、一部省略のコピー=抄本、という違いです。

なので、戸籍を追いかけていくときには、新しい順から、全部事項証明書、改製原戸籍の謄本、除籍の謄本、と取り寄せていくことになります。


戸籍については、これだけで一冊の本になるくらいですが、私にはそこまでの知識がないので、解説はこの辺で終わりに向かいます。

ちなみに手数料は、全国一律で
 戸籍謄本 450円
 除籍謄本 750円
 改製原戸籍の謄本 750円
のはずです。

また、郵送で戸籍を請求する場合は、役所ごとに請求書の書式が違うようですが、どの役所の書式でもたぶん送ってもらえるので、最寄りの役所で請求書をもらって、本籍地の役所に郵送で送りつけるというので良いと思われます。


と、ここまでいろいろと書きましたが、最近は職務上請求書を使わずに取り寄せることは少ないので、もし実務の運用が違っていたら、ごめんなさい。