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寄与分の決め方と具体例

寄与分は話し合って決めてもらってよし、と民法に書いてあります。

それなので、遺産分割協議をする際に全員で合意すれば寄与分を決めてもらって構いません。

その場合、その人に法定相続分より多く相続させるという遺産分割協議がなされるだけで、寄与分という言葉は遺産分割協議書上には出ないことが一般です。

そーは言っても、なかなか決まらないもの。

前に書いたように、苦労した本人が一番苦労を知っているのです。

そういう場合は、家庭裁判所に遺産分割の審判を(通常は調停から)申し立てた上で、寄与分があるんだ!と主張する人が 「寄与分を決めてね」 と家庭裁判所に申し立てることができます。

そうすると、裁判所は寄与分のあるなし、ある場合どのくらいか、を決めてくれるという寸法です。

なかなか認めてくれませんが・・ いや、くじけてはいけません。

遺産分割の審判は、様々な事情を考慮して決められますので、仮に寄与分として何割、と認められなくても他の部分で良い塩梅にさじ加減をしてくれるかもしれません。

裁判所には言うべきことは言い、伝えるべきことは伝えた上で、判断を求める。

これが正しい姿勢です(自分への励ましも含まれています)。

寄与分について判断した裁判例には次のようなものがあります。

大阪家庭裁判所平成19年2月26日
被相続人に対する介護を理由とする寄与分の申立てに対し、申立人の介護の専従性を認めた上で、申立人が被相続人から金銭を受領しているものの他の相続人らも同様に金銭を受領していた事実があるから、その介護の無償性は否定されず、寄与分を評価する上で評価すべき事情としてその他の事情と併せ考慮し、申立人の寄与分を遺産総額の3.2%強である750万円と定めた
被相続人が所有していた資産を運用し、株式や投資信託により遺産を増加させたことを理由とする寄与分の申立てに対し、株式、投資信託による資産運用は利益の可能性とともに常に損失のリスクを伴うことから、単に株価が偶然上昇した時期を捉えて被相続人の保有株式を売却した行為のみで特別の寄与と評価するには値しないとして、寄与分の申立てを却下した

盛岡家庭裁判所一関支部平成4年10月6日
被相続人の長男の妻(養女)として、家業の農業に従事するとともに、工員として得た収入をもって被相続人らの生活を支え、被相続人の療養看護に努めた申立人につき、家業従事、扶養、療養看護の各態様ごとに寄与分を算定した上、これらを合算して寄与分を評価した
申立人の受けた生前贈与のうち、寄与に対する実質的対価と認められる部分については生計の資本ではないから、特別受益には当たらないが、その限度で寄与分は請求できないとして、寄与分の評価額から生前贈与の価額を控除して寄与分を評価した


ただ、こうした判例は参考にはなりますが、寄与分の判断は過去の長い経緯や生活実態が複雑に影響するので、判例が自分のケースにあてはまるかについては慎重な判断が必要です。