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そもそも遺産分割って何?

遺産分割(いさんぶんかつ)という言葉をよく聞きます。

高校生くらいになれば誰でも知っている言葉ですが、では、遺産分割って何をすることでしょう?

そんな大事なことですから、おなじみの民法に書いてありそうですね。

読んでみましょう。

(遺産の分割の基準) 第九百六条

  遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。

これかな

確かに「遺産の分割」と書いてありますが、遺産の分割はいろんなことを考えてする、と書いてあるだけで、「遺産の分割」が何か、は書いてないですね。

ほかを探しても・・書いてない。

というわけで、遺産分割って何?の答えは民法には書いてないのです!

国民に向かって「あえて書かぬゆえ、考えよ」というわけです。

格調高いですね。最近の会社法などとは大違いです。

雑談はさておき、答えを。

遺産分割とは「共有状態の相続財産」を「相続人の固有の財産」として帰属させるための手続き、です。

つまり、相続人が複数いて共有状態になっている相続財産は、遺産分割を経て、初めて相続人の固有の財産になるのです。

複数の相続人が協議して遺産分割をすることを、協議分割といいます。

のため、相続人が一人きりの場合は、遺産分割協議はする必要もなく、やろうと思ってもできません。

また、遺言書などで相続財産全部について個々の財産の帰属が明確になっている場合には、遺言による指定分割といい、この場合も遺産分割協議は必要ではありません。

ただこの場合、遺産分割協議は必要ではありませんが、相続人みんなが集まって遺言書と違う内容で遺産分割をしようと協議するのは自由です。

それもひとつの遺産分割協議と言ってよいでしょう。

一方、分割債権などの 「共有状態の相続財産」 にならない相続財産は、相続の対象となる財産ですが、ただちに相続されますので、固有の財産になるために遺産分割協議を必要とはしません。

なので、遺産分割協議には、共有状態の相続財産を相続したために、遺産分割協議を必要とする人々が参加して行われます。

そして、遺産分割協議は、それを必要とする「全員」で行わなければなりません。

この「全員」の中には、共同相続人のほか、包括受遺者、相続分の譲受人が含まれます。

ただ、共同相続人でも、相続分の全部を譲渡してしまった人は含まれません。 また、相続分の譲受人も取戻権の行使を受けた場合に「全員」の中には含まれません。

遺産分割協議は、これら当事者の一人でも無視して行われても有効とならないのです。

抽象的な議論はこのくらいにして、次からは遺産分割協議の具体的な方法について解説します。