相続>遺言>遺留分って何?

遺留分って何?

妹「母さんは私に全部相続させるっていう遺言を書いてくれたんだから!」

姉「それでも私も相続人だから遺留分は必ずもらえるはずじゃないの!」

妹「そ、それはそうかもしれないけど、だからなによ!」

姉「だから遺留分よ!」

姉妹「だから・・・  遺留・・・(市役所にでも相談に行こうかしら)」

あまり議論が深まりませんね。

それもそのはず、遺留分(いりゅうぶん)のお話はそう簡単ではありません。

まず、遺留分という制度は例外的な制度だ、というところから話を始めます。

本来、人は自分の財産をどのように処分しても自由です。

生前に誰かにくれてやることも自由ですし、遺言書で遺贈(いぞう)したり、相続人の誰かに全部相続させると書くことも自由です。

その人が生前に決めたことを亡くなったあとで法律がひっくり返すなんてとんでもない、と考えることもできます。

ただ、一方で、自分は将来の相続人なのだから、と期待している人がいるのも事実です。

将来その人が亡くなった時に相続人になる人のことを推定相続人といいますが、推定相続人は、被相続人と一緒に住んでいたり世話をしていたりして、経済的なつながりも多いものです。

それなのに、遺言書を開けてみたら自分にはビタ一文こない、ということになると被相続人に支えられていた相続人は、突然生活に困ってしまうわけです。

例えば、先妻の子と後妻さんが相続人だというようなときに、被相続人が遺言書に、離れて暮らす先妻の子に全部やる、などと書かれてしまうと、自分名義の財産をもたない後妻さんは大変困ってしまう、なんてことがあるわけです。

他にも、将来相続するんだからと思って、家の貯金を全部お父さんの名義にしておいたら、友人に全部遺贈するなどと遺言書が見つかったなんて場合は、びっくりですよね(この場合は相続財産の範囲の問題にもなりえますが)。

それなので、財産の処分は本人の意思で自由ですよ、という民法の原則をちょっと制限して、相続人に取り分を認めてあげる、というのが遺留分というものです。

注意点としては、
 ①遺留分をもたない相続人もいる。
 ②権利を行使するかどうかは、本人(相続人)の意思にゆだねられている。
 ③遺留分を要求することを、遺留分減殺請求権(いりゅうぶんげんさいせいきゅうけん)を行使すると言う。
 ④遺留分減殺請求権は、行使する期間が制限されている。
 ⑤遺留分減殺請求権を行使すると、それによって様々な権利関係の変化を生じる。
というあたりです。

次項から順々に説明していくことにします。