2009年2月

2009-2

過去のトピックス〜2009年2月

H21-02-03
「譲渡後も許認可継続 中小企業の優良事業、円滑な再生を支援」(NIKKEINET)

事業譲渡や会社分割で新設する場合に許認可を新たに取らなければならないことへの対応です。
単体で存続させても営業利益がでず再生が難しい場合に,事業譲渡などで採算のとれる事業のみ切り出すことがありますが,許認可の問題が障害になることがありました。
中小企業でも産業活力再生特別措置法を活用することができるのか,弁護士として学んでおく必要がありそうです。

H21-02-04
「『小松先生のこうでありたい』との欲」(小松亀一法律事務所)

小松先生,正直過ぎ(^^)
なかなかそこまで書けませんよ。

H21-02-09
「法人自己破産件数、初の1万件超え」(産経新聞)

中小の法人破産は,さらに増えると思います。
2002年からの好景気でも,利益は輸出関連の大企業に蓄積し,中小企業の利益率はそれほど高くありませんでした。
それでもこの間に設備更新をしなければならなかったところは,急な売り上げ減少に持ちこたえることができないことが懸念されます。
また,下請けをどこまで救うかも,かつてと異なり,発注元自体が苦しい中でシビアになっています。
銀行にまだ体力があり,体力があるだけに,体力があるうちに切るところ切る,という姿勢が中小の倒産を増やしている面があるようにも思います。
太田市,大泉町,桐生市,足利市あたりは中小の事業所が多く,影響は大きいものがあります。
最近では治安の悪化にもつながっているように感じます。
資金繰りが回らず経営が行き詰まり,従業員・取引先が混乱し,家族が困惑するその前に,弁護士に相談して,倒産する場合にもしっかりと対応を取って周囲に納得をしてもらえる手続をとることが,今後の各人の生活再建にとって重要と思いますので,早め早めのご相談を。

H21-02-10
「経営承継法における非上場株式等評価ガイドライン」(中小企業庁)

遺留分の特例などを定める「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」における非上場株式の価格の「固定合意」の際の評価手法のガイドラインです。
非上場株式を評価する際の一般論としても参考になりそうです。

H21-02-10
「企業再建「第2会社方式」が急増」(Fuji Sankei Business i)

先日の許認可の法改正にもつながる話題です。
新会社もしくは新設の会社分割の方法で,新しい会社を設立して優良部門のみを切り出して承継させる方法です。
記事にあるように金融機関側の債権放棄の問題のほか,旧会社の簿外債務などのリスクを負わなくて済むためスポンサーに理解を得られやすいという面があります。
ただ,許認可のほか,不動産を多く抱えている場合に登記などの登録免許税の負担が膨大になることがありましたが,産業再生法改正ではその措置もあるようです。
とはいえ,中小企業ではそもそも優良部門だけ切り出すこと自体難しく,また,取引を継続してもらえるような独立性のある部門といえるまでの規模はなく,結局,同業他社や元請けなどに従業員の再就職のあっせんをするに留まるケースがほとんどです。

H21-02-16
「【がんばれ ものづくり日本】(1)下請けいじめ 理不尽な要求跳ね返す支えを」(Fuji Sankei Business i)

頑張ってほしいと思いますが,最後の3か月,無理をしないで事前に弁護士に相談に来てください。

H21-02-17
「「政府紙幣」「無利子国債」薬か毒か 財源確保へ2つの奇策」(Fuji Sankei Business i)

インフレは国家滅亡へのプロセスと思いますが,一方で世代間闘争の場面とも言えそうです。
しかし,無利子国債を買うと相続税が減免になるなんて,国民を朝三暮四の猿のように考えているのかと疑いたくもなります。
本当に,官僚や政治家というのは悪人でないとできませんね。
今日は出張中にマキャベリの君主論を読む予定です。

H21-02-20
「群馬県内の刑法犯少年、過去最少 中学生の凶悪事件は増加」(産経ニュース)

なぜ減っているのか,という考察が必要です。
全体の件数が縮小する中で凶悪事件が増加しているということは,刑事裁判による抑止力の成果でないことは間違いなさそうです。

H21-02-26
「経営管理者養成コース(第16期)」(中小企業大学校 三条校)

全25日間,4日連続が1か月毎ですから,月に1週間は会社を空けることになりますが,思い切って行ってみては!社長!
日々のオペレーションと経営のマネジメントは,別モノです。
一人になり,初心に帰り,経営の原理を聞いているうちに,自社の方向性が見えてくる…かもしれません。
後継ぎに行かせる,というのでもよいでしょう。
今は耐え,忍び,学びの時です。
私の事務所でも週に1度,たった2時間ですが,事務員に事務作業の背景となる法体系の学習をする時間を課しています(私も参加しています。)。
実務と基礎理論は,業務の両輪です。
経営も,経験と勘のみでなく,原理や理論を学ぶことが大切です。

「事業再生とは」

 昨日のセミナーの報告です。



 主催が中小企業基盤整備機構で,税理士・公認会計士の研修の単位になるということもあり,参加者に弁護士は少なかったように思いました。



 再生型の手続きとして,

 私的整理  

   一般の私的整理  

   私的整理ガイドライン

 法的手続  

   民事再生法  

   会社更生法

があり,特定調停による場合がその中間といえますが,そのメリットデメリットを整理して,最新の実務的運用を紹介するという流れでセミナーは進められました。



 簡単にいうと,要点は3つで,

①私的整理では,金融債権のみを整理の対象として取引先債権を除外することが可能である反面,全関係者の合意が必要であるデメリットがあること。法的手続きでは,その逆で,多数決原理による強制が可能であるが,平等の観点から,取引先債権を除外しえないデメリットがあること。

②債務免除益の税務リスクを回避する手段の有無。

③DIP型,つまり現経営者に経営を継続させうるかどうか,について民事再生はDIP型であるが,会社更生は管財人が選任されること。



 それに対し,最近の運用では,

①民事再生でも会社更生でも取引先債権に関して,少額債権の即時弁済許可で,「少額」の範囲を柔軟に解釈することで対応していること。

②評価損,欠損との通算によって債務免除益を回避する手法や,資本的借入金へのDDSによるなどの対応。

③会社更生法でも,保全処分の際に弁済禁止のみとして,現経営者を事業管財人に選任し,裁判所の選任する弁護士を調査委員とするなどのDIP型もありうる。

などの対応をみせているようです。



 パネラーの方々が口をそろえて言っていたのは,最近のケースでは,そもそも売上・営業利益が立たず有利子負債を圧縮しても再建の途につかないケースや,黒字であっても銀行の融資抑制によりキャッシュのみが回らなくなるケースが多く,2000年ころと今とではまったく状況が異なるということです。



 事業構造を短期的に転換できるサービス業と異なり,製造業では耐え忍ぶほかないのが現状で,原点に帰り,できることは全部して,生き残りを目指すほかないんだそうです。



 そんなこと言われなくてもわかっているよ,と思いがちですが,わかっていてもできない(もしくは,できていると思っているのは本人だけ)というのが人間ですから,よく学び,周囲に意見を求め,自ら動いて,あらゆることを試みてみる必要がありそうです。



 大変勉強になるセミナーでした。



 もっと詳しく聞きたいという方には,事務所にお越しいただければ解説しますので,ご連絡ください。

(さらに…)

「文章を短く書こうとし過ぎているのではないだろうか。」

 12日のブログを改めて読み返してみると,伝えようとしたことと文章の意味があっていないように思えてきました。



 自分が書きたかったのは,忙しいときほど家族サービスの需要も増えるものだ,ということです。



 書いた本人はそのつもりで書いているのですが,よく読むと,「家族サービス」が「多忙」に反比例するということは,多忙になればなるほど家族サービスが減るとも読めるわけです。



 むしろ素直に読むとそのようにしか読めず,そりゃあたりまえだろ,とつっこまれそうです。



 そう考え,最近の自分の書いた文章を振り返ってみると,訴訟に提出する準備書面を含めて,必要最小限に留めようとして短くなりすぎているように感じました。



 また,短くなりすぎた結果,論理的には足りていても,たたみかけるような十分な説得力をもった文章にはなっていないようにも思いました。



 なぜそうなったか,を自分なりに分析してみると,

①法律の文章は論理的構成が骨格にあり,それを重視していること

②司法試験を受ける過程で,限られた文字数で多くを盛り込んで書く訓練をしてきたこと

③あまり多く書いても裁判官は読んでもらえないような気がすること

④司法関係者の中にばかりいて,記号のように言葉を使い,それで通じてしまうこと

⑤そもそも論理的帰結を示すことは得意でも,叙情的な言葉で説得することが苦手なこと

⑥インターネットでは7秒で次のページに行くといわれ,短いセンテンスを多用すること

⑦短い文章しか書かないメールに慣れてしまっていること

⑧自分が歴史小説や実用書・専門書以外のいわゆる小説の類をあまり読まないので,そもそも言葉を持っていないこと

⑨じっくり文章を書く時間をとっていないこと

⑩相手はわかってくれるだろうという甘えのあること



 ほかにもまだまだ原因がありそうです。



 いずれにしても,伝えるべきことを持っているか,が最も重要なことだとは思います。



 伝えたい,と本気で思えば,誤解のないように,しっかりと,情熱的に,書いたり話したりできるはずです。



 仕事上でも,私生活でも,伝えるべきことはしっかりと伝えていきたいと改めて反省しています。

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「事業承継とは」

 最近は,破産・倒産のご相談が多いのですが,危機感を反映してか,事業承継に関連するご相談や受任も多くなっています。



 事業承継の相談といっても,事業承継の相談をお願いします,といって相談に来るわけではなく,相続や経営権の争い,不動産投資など重要事項の判断の相違などを理由に弁護士に相談に来るところから,結果として事業承継を見据えて動くというケースがほとんどです。



 破産や民事再生を機に代替わりをして事業を承継していくというケースもあります。



 その手法はトピックスでも取り上げているとおり,様々です。



 事業承継の基本は,「資産」の承継と「経営」の承継の両面が必要なことです。



 また,死亡後の相続では問題になりませんが,現経営者がまだ意欲的な場合には現経営者の事業承継に対する認識と覚悟が重要になってきます。



 事業承継では,株式数や役員数,任期,会社の事業内容,不動産や設備,現場の指揮命令系統,従業員,金融機関,取引先,現代表者の認識・意欲・性格,株価,売上,営業利益,経常利益,個人保証,家族関係,相続関係などなど,がキーワードです。



 全体のスキームの違いによってそれぞれの意味するところは異なってきます。



 それらすべての要素を,会社法,民法(相続),税法,労働法,金融実務,各種特例法や国の中小企業施策などの知識を背景にして検討することになります。



 とはいえ,事業承継でもっとも重要なのは,人の心理について洞察することです。



 これを誤ると思わぬ落とし穴にはまることがあります。



 また,それが事業承継の事案の難しさであり,面白さでもあるといえます。



 いわゆる将来を見据えたWIN-WINであることが事業承継の基本的な考え方ですが,時に熾烈な権力闘争にもなりますので,それを差配できるのは弁護士しかありえません。



 弁護士の中でも事業承継の事案は,想像力と研究心と闘争心に加えて誠実さや柔軟なバランス感覚を備えていないと,難しいかもしれません。



 まさに弁護士の人格を問われる場面です。 (努力します(^^;))



 弁護士が活躍するのは法廷の場だけではないというのが,なんとなく伝わりますか。

(さらに…)